「亮、ナイスチョイス!いい映画だったね〜?」
当たり前。
僕が優勝するって確信してたから、
事前にいろいろ雑誌見ての好きそうな映画探したんじゃん。
「よかったよ。が喜んでくれて」
「遅れたけど、こんな私を誘っていただきまことにアリガトウございました」
「とじゃなかったら、行かないよ?」
「まぁ、熱烈な告白もアリガトウっ!」
本気なんだけど。
いつも冗談ととられるんだよね。ダビデじゃあるまいし。
まぁ、サエのへのアタックも受け流してくれてるから、いいけど。
「そういえば亮、今日帽子かぶってないねぇ」
「当たり前じゃん。あれはテニスのときだけだよ?」
「きれいな髪だよね?ほんと。モデルさんかよってくらい」
「まぁ、ちゃんと手入れはしてるからね」
「えらいね〜?まぁうちの部長には関係ない話だけど・・・・」
「ハハ!そうだね?」
はおもしろい。・・・少なくともダビデより。
好きだから、に対しての感性だけ敏感になっちゃったんだよね。
あんまり、本気で笑わない僕も、ちゃんと笑顔が自然とでるようになった。
君のおかげ。
そう、のおかげ。
レストランまでの道のり。
まぁ、海沿いの舗道なんだけど。
夕焼けがキレイで、少し立ち止まった。
「今度はビデオ借りて、ゆっくり僕ん家で見ない?」
「亮、面白い映画知ってそうだしね?全然いいよ?」
「え?ほんとにいいの?」
襲っちゃいそうなんだけど・・・
「うん!」
すっごい能天気で無邪気な笑顔向けられたら、
自分がすごくバカみたいに思う。
「淳、元気?」
いつも、は聖ルドルフに引き抜かれた俺の弟のことを気にかける。
「うん。元気でやってるよ」
うん、が優しいのは分かってる。
「そっか!あの学校、なんか心配なんだよね・・・淳の髪の毛切っちゃうし」
「大丈夫だよ?うまくいってるっぽいし」
は胸を撫で下ろした。
「ホッ。安心安心」
はっきりゆうけど、
あんまり、淳のことばっかり聞かないでほしいんだよね。
いくら弟とはいえ、好きな子に、仮にもデート中にほかの男の話なんかしないでほしいじゃん?
しらないうちに、いつもの顔に戻り、もう遠目に見えているレストランに向いて歩き出した。
「亮?どうしたの?」
あわてて追いかけてくる、。
「え?もう、そろそろ歩いてってほうがよくない?六時半だし・・・」
「・・・・・なんか怒ってる?」
「いや、別に?なんで?」
笑っておこう。
そんなことで怒ってたら、僕子供みたいだし。
「・・・・・・・・・・嘘だな」
「気のせいだよ」
「・・・・・・・・・」
は口を尖らせて立ち止まった。
「行こうよ、」
歩き出す気配が無い。
どうしようか・・・・・・。
「機嫌直して?・・・」
「亮の方でしょ?機嫌直すのは亮の方!」
・・・・・・・・・僕、いい事考えた。
「機嫌なおしてほしい??」
僕は、ゆっくりに近づいていった。
「うん。直してほしいデス」
「分かったよ・・・・・」
そして、の頬っぺたにキスをした。
五秒くらい止まっていきなり、
「なっ・・・・・なに!!??」
めちゃくちゃかわいいなぁ、って。
「機嫌直ったよ。が言ったんだよ?」
「言ったけどさぁ!?」
「いいじゃん。行こうよ、ね?レストラン」
手を握って、微笑んだ。
「馬鹿ヤロぅ・・・・・・・」
いいよ?馬鹿でも。
の前ではクールな僕じゃなくてもいいよね。
言っとくけど、覚悟しといた方がいいと思うよ?
の事を好きな僕は、何をするか分かんないからさ。
END