青い空、白い雲、青い海。
いや、何よりも暑い。
しかも、多分今日は紫外線も絶好調。もともと、色黒な私はぬかりなく日焼け止めを塗った。
いつも、海遊んでるとき塗ってないから、あんまり意味ないかもしれないけど。ハハッ
そして、私は今日という日のために奮発して、めちゃくちゃ可愛い水着を買った。めちゃくちゃ鮮やかな青の花柄のビキニ。
でも、私なりに派手なものを買ったつもりがこのビーチでは普通かそれ以下。
みんな大胆過ぎだって・・・・・。
「ちゃん、すっごくいいよソレ。やっぱり青似合うよ」(ニコッ)
この男 佐伯虎次郎。わが学校が誇る美少年。
セクハラ染みた発言もこの男が言うとなんて爽やか。
「そう?ありがとうね」
見事な完敗だ。
太陽にも負けないくらい眩しいく、直視したら逆上せてしまう。
キレイな男だな、ホント。
「なんか俺たち見られてるね・・・」
「そう?」
「ハハッ、お似合いカップルだからかな?」
いや、違うと思うな。自分でゆうのもなんだけど。みんな100パーセント、サエを見てるよ・・・。
そして、品定めされるかのようにサエと手を繋いでる私も見られる。なにを言われてるのやら・・・怖い怖い。
今でも、分からない。なんで、こんなどっかの王国の王子が私の彼氏なのか。
私はただの一般市民、農夫(公務員)の娘ですのに。
「やっぱり、いつも遊んでる海と違うから新鮮だね」
「人がいつもより1000倍くらいいるけど・・・・」
「が言ったんだよ?いつもと違う場所に行きたい!って」
「そうだけど・・・・失敗しちゃいました。ゴメンなさい」
私は思わず繋いでいた手を離した。
おもいっきり自業自得な状況。せっかくの二人っきりの初デートなのになんてことだ。
「いや、俺はがいればドコでもいいよ?」
なんちゅう口説き文句をサラッというんだ、あんた・・・。
その言葉に顔が紅潮する私も私か。いや、このオットコマエに言われたら仕方が無いな・・・
まぁ、それはさておき、怒りモードな私。
「あ〜これじゃ、思いっきり泳げない!!」
家族やら、カップルやで、海は占領されている。
日本でここ以上に人が密集している海は無いってくらいの・・・。魚より人ほうが多いんじゃないか?ってくらいの?。
私は馬鹿だ、海にきて泳げないなんて、最悪だ。
カラオケに行って歌えないのと同じくらいもったいない。ダビデがダジャレを言ってバネがつっこまないのと同じくらい物足りない!
「ううぉ〜!目標は一キロ泳ぐことだったのにぃ!」
「、そんなに泳ごうとしてたの?」
「だって、前にバネさんと泳ぎ対決したとき完封負けしちゃったから、リベンジしたいんだもん!!」
「オレをフリーにしてまで、泳ぎたい?」
首を傾け私に言った。
「・・・・・・・・・・・」
よく考えてみたら、サエを一人にしちゃったら
100%の確率でコギャルやら人妻やらに誘拐されてしまう!
しかも、その上襲われかねない・・・・。それだけは、死守しないと・・・
「ゴメン、サエ。一緒にいる・・・」
それを言うと、嬉しそうに笑ってくれた。
時々、サエは子供みたい微笑う。
最初はすごいクールで物静かな人だと思ったんだけど、こういう一面を見るたびに、余計に魅力的な男に思える。
この笑顔で、どれだけの女をモノにしてきただろう・・・。まぁ、その中の一人がワタシなんだけど。
「人口密度高いね。はぐれないようにしなきゃ」(ニコッ)
そして、私の手を握って歩き出した。
嗚呼、なんでそんなにカッコいいんだアンタは・・・。
こんなにカッコいい人が私の彼氏?うかれても仕方が無いような気がする・・・
「サエさ〜ん、なんか食べません?歩きすぎてお腹減っちゃった」
「ん?あそこの海の家に行く?並んでそうだけど」
「いいよ?どうせ海行っても泳げないからね?」
「それもそうだな」(笑)
「よし!今日は食事を楽しもう!!雑誌に焼きそばが美味しい店って書いてあったんだ」
「食べすぎで、お腹壊さないようにね?」
「分かってるって!」
「う〜・・・・・・・・お腹イッパイだぁ。満足満足・・・・」
「・・・・・・・・・・・よく、お腹壊さないよね?」
サエが苦笑いで言った。
「でも、あんま食べてないよ?」
「でも、?焼きそばとフランクフルトとチャーハンはいくらなんでも・・・」
「あっ、サエ!かき氷食べよう☆」
「まだ食べる気?本当におなか壊しちゃうから、やめときなって」
「いやぁ〜!!意地でもいちご練乳食べる!!」
サエと、にらめっこ。
そしていつも、私が勝つ。
「・・・・・・分かったよ。でも俺と半分個にしようね?」
「やった〜!!」
そして、サエはバイトのおねーさんに「練乳たっぷりで」と(満面の笑みで)言ったら、
これでもかというくらいに、いちごの赤色がピンクになるくらいかけてくれた。
さっすが、魔性の男。
そんなこんなで、麗しのカキ氷は私の手の中に!!
「あぁ〜サエ〜ありがとう!なんか悪いね〜」
「それじゃ、これでチャラで」
アーン
サエは口を開けた。
「なにそれ・・・・」
「全部、俺に食べさせてくれるんだよね?」
「アーンってやれって?」
「もちろんv」
「まったく・・・・」
恥ずかしげもなく、堂々とよくこんなこと出来るよなぁ・・・
あ でも、かわいい・・・
・・・・・・ハッ!!めっちゃ見られてる!!??
「?恥ずかしい?」
「めちゃくちゃね・・・・」
「俺恥ずかしくないのになぁ。となら」
「・・・・」
「やってくんないんだったら、もっと恥ずかしいことやっちゃうからね?」
そしてサエはワタシの腰に手を回す。
いやいや、ちょっと・・・・サエさーん。
「・・・・・・・・・はぁ〜」
「なに?」
「サエが、そんなに甘えん坊だったなんて知らなかったわ」
「知らなかったの?」
「知らなかった」
「甘えついでに、ちょっと来て欲しいところがあるんだけど・・・・」
日も傾いてきた。
やっぱりどこ行っても海の匂いは変わらないな。
となりにいる手をつないでいる人も一緒だ。
「あぁ〜。結局泳げずじまいだったなぁ〜」
「俺はのビキニ姿をずっと見られて幸せだったけど?」(ニコッ)
「なっ!!!!!」
「あっ、 顔真っ赤・・・・」
「バカさえ!!!」
ポカッ
「いたっ」
すると、いつのまにか人気のないまで岩陰を歩いていた。
影はもう伸びきっていて、サエの白い肌も赤く染まっていた。
「あ。アレ」
サエの指が波際を指差す。
半分がもう波にさらわれてしまっているが、まだすこし原型を保っていた。
砂のお城
「すっごいなぁ〜精巧に作られてるし・・・」
「もったいないなぁ。もう壊れちゃうよ」
「いつか俺が作ってあげるから、本物」
「嘘でしょ?」
「成せば成るってゆうじゃない?」(ニコッ)
サエなら本当に成し遂げそうで、怖かった。
「座る?」
「うん」
夕日に体を向けて、砂浜に座った。
「人少なくなってきたよね・・・・」
「うん」
泳ぎにいこうかな・・・・・
ガシッ
いきなり、サエは私の手をギュッとつかんだ。
「なっ、なに!?」
「今泳ぎに行こうとしてたでしょ?」
「バレてるし・・・・・」
「の考えてることなら、手にとるように分かるよ」
「バカにしてるなぁ〜?どうせ単純女よ!」
どうせ、王子様とは違う生き方してきたんですから!
「怒った?」
「怒った」
ちょっと困らせちゃろ。
「ねぇ、?」
ちょっと口膨らませてみる。
「・・・・・・・・・・・・」
反省した?
「・・・・・って、えぇ〜!!!」
サエに肩を掴まれたかと思ったら、
いきなり、浜辺に押し倒された。
「なにっ!なにっ!?どしたの、サエ!?!?」
「あまりにも可愛いので襲っちゃおうかなぁ〜と思って」(ニコッ)
「ナッ・・・・・!?なんつーこといいだすの!?」
「いい?」
「バカサエ!駄目に決まってんでしょ!?」
「じゃあ、チューだけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
思いっきりハタからみたら、やばいような体勢で私の唇は奪われた。
うん、数分間。
ドス ドシ ドス ドシ ・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・」
「お〜い、ちゃ〜ん?」
私の手のひらの形がくっきりサエの頬っぺたに映し出されている。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ねぇ、まだ怒ってるの?待ってって、ー」
「・・・・・・・・・ねぇ、サエ」
「ん?許してくれるの?」
「私、サエのこと王子様って感じで見てきたのね」
「・・・・・・・・・・?」
「やっぱりサエは普通の男の子じゃん」
「なに当たり前なこと言ってるの。オレはのことが大好きな普通の男の子だヨ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
でも、やっぱり見た目は王子なのね。
笑ったら白い歯が見え隠れする。目だってキラキラ。
「わっ・・・・・・・!!」
いきなりグイッと肩に手を回された。
「今日、楽しかった?初デート・・・」
「・・・・・・・・楽しかった。サエは?」
「言ったじゃん。がいれば、なんでもいいって!」
「また、そんなハズいことを・・・・・・まぁ いいけどさ?」
やっぱり、サエはサエだ。
私の たった一人の 王子様だ。
「ねぇ、?」
「ん?」
大好きだよ
そう言ったサエの顔はいつもの笑顔じゃなかった。
「・・・・・・・・もう!」
「、照れてる・・・・・ハハッ、かわいいなぁ?」
ガバッ
めちゃくちゃ心臓ドキドキで無抵抗な私をサエは軽々と抱き上げた
抱き上げた?・・・・・・もちろん乙女の夢見る お姫様抱っこで。
「サエってば!!降ろして!!!」
「 ダーメvv 」(ニコッ)
力の限りジタバタしまくってんのに、力及ばず。 嗚呼、無力。
「・・・・・・・・・ねぇ、どこ行く気?」
「ホテル」
「・・・・・・・・・・・・・ナっ!?!?」
「ララララ ララララ ラッララ〜♪ ララララララッラー〜♪」
「あんたがソレを歌うの!?」
「俺以外の男だけは気をつけてね?」
「一番サエが危ないわよ・・・・・もうっ」
もちろんサエが口ずさんだ歌は懐かしいあの名曲。
・・・・・・・・まさに、そうだった。
「今日もまた誰か〜♪乙女のピンチ〜♪」
END
初サエさん夢・・・うおいダレだよw