今日、天気予報を見た。

俺のだいっ嫌いな梅雨の時期が始まったらしい。

たしかに、もう90パーセントくらいじゃないかなってゆうくらいの湿気だ。

朝起きて、8割方髪型をセット。ってゆうか、もう元の形に戻すのも必死ってゆうか。

もう地獄、学校行きたくない・・・。

だって、お前に会わないといけないんだから・・・・







It`s gonna rain!







今日は朝から雨が降っていた。



「いいなぁ〜サエさんはサラサラヘアーでさぁ〜」



学校に行く途中、サエさんに会った。白い傘だったからすぐに分かった。

あまりにも、気持ちがすさんでたから、いつも優しいサエさんにつっかかってしまった俺。

だって、サエさんの髪の毛、この湿度の凄さに異常きたしてないから。

いつもと一緒の、まるでCMに出てるモデルさんにも負けず劣らずのキレイさ・・・

ひそかに羨ましく思っているオレ。





「ダビデ気にしすぎだって。いつもと同じだよ?」

「いや・・・ここらへんが跳ねてる。しかも、全体的にゴワゴワして・・・」

「変わんない気がするんだけどなぁ、俺には・・・」




俺がサエさんにいろいろ愚痴ってると、後ろから頭を叩かれた。

・・・・・・・・・・・いや、蹴られた。





「いった!」

「おい、ダビデ!あんまりサエを困らせるなよ」

「ヒドイ・・・バネさん・・・」





思いっきり、アナタはK‐1ファイターですかってくらいの威力で蹴りツッコミをいれるバネさん。

それにいつも耐えているオレはもっとすごいか・・・・

でも、今日はまだダジャレ言ってないのに・・・・




やはり、バネさんの髪の毛にも影響ないようだ、だって硬そうだし。

いっつもセットとかしてないでしょ?バネさん。

俺より一時間くらい余分に睡眠時間確保できてるんでしょ・・・?







「なんだよ、人の顔ジロジロ見て。気持ちワリィな〜」

「・・・・・・・・・・・・別に」








いいよな、二人とも・・・・

はぁ〜、憂鬱。

こんな気持ちブルーな日はいつもの素晴らしいダジャレも思いつかない。

いや、そんなことはまだいいんだ・・・・

今日一番憂鬱なことは・・・・






「みんな〜おはよ!」






背中を叩かれた。

当たり前だけど、バネさんに叩かれるのとは、まるで違う。

女の子特有の小さくて、かわいらしい手で。

振り返ると、水玉模様の傘をさした子が笑顔で立っていた。

オレの好きな人。






「おはよう・・・

「おはよう!!あれ?ダビデ、髪型変わってない?」






見られたくなかった・・・

ボサボサ頭。しかもサエさんの隣にいるから余計惨めだ・・・

亮さんではないけど、帽子かぶってきたらよかった。













帽子をかぶったら、亮さんとかぶった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いまいちだな。













「いつものワックスベトベトつけても、セットできなかったんだとよ?」






バネさん・・・

いくらバネさんでも怒るよ?俺







「ダビデの気持ち分かるよ〜?私も今日相当苦労したんだもん」

もかよ。大変なんだなぁ」

「女の子って忙しいね?」








なんだよ、の事だったら同情するわけ?

てゆうか、二人とも大好きなんだよなぁ。









「やっと着いたね〜学校。途中から雨強くなっちゃったし!スカート濡れた〜」

そして、はスカートをハンカチで拭いた。

「俺も靴下濡れちまった・・・気持ちワリい〜」

「じゃあね?、ダビデ。夕方晴れたらいいね?」

「うん☆バイバイ」










そう、梅雨時はテニスが出来ないからクラブも週に2、3度あるかないか。

バネさん達は、にあんまり会えなくなるんだけど、

一緒のクラスの俺にはまったく関係ない。




でも、今日は見られたくない。

好きな子にはかっこ悪い自分を見せたくない。





俺はできるだけ、一日に近づかなかった。

男友達と教室から出るようにしたり、の斜め後ろってゆうベストポジションにもかかわらず、

授業中出来るだけを見ないようにした。(つらかったけど)

ずっと授業中、雨雲を睨んでた俺は、本当に暗かった。

当分、こんな感じなのか・・・
















「太陽が 見 たいよう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ップ」


やっと、最後の授業が終わってホッとしたときにいきなり思いついたダジャレ。

嗚呼、に聞いてもらいたい!





















「ダビデ〜!」

以心伝心?

俺の席に近づいてきた。





「?」

「明日八時に部室集合ね?」






え?明日も確か雨だったはず。テニスなんてとてもじゃないけど、できないだろう。ミーティング?

いや、六角中テニス部 ミーティングはいつも焼き肉屋でやるはず。(食べ放題の)

だって、剣太郎が部長だからさ。







「いい?」

「うん、分かった」








まぁ、いいか。行けば分かるし。

明日は晴れないかな?








































次の朝




も、案の定、雨だった。

もう、遅刻すると思って頭のことはあきらめ、簡単に括った。

急いで走っていったら、絶対剣太郎とかに会うだろうと思ったのに誰とも会わなかった。



「なんでだ?」

部室に着いても、誰もいなかった。



そしたら、後ろからの声。

「ダビデ、ごめん!!遅れた!!」

「みんなは?」

「え?いや、呼んだのダビデだけだよ?」











は?オレだけ?











「何言ってるの?ダビデ」

「いっ、いやミーティングだと思った・・・・・・・・」

「ハハっ!どこをどう間違えたのよ〜」










普通わかんないから、




いや、待てよ・・・・・・

もしかしなくても、今と二人きりじゃん。

すごいいい、シチュエーション。

今なら言える・・・・鴨?・・・・・・・っぷ。























って、うわ!!



「やっぱり今日も頭ちゃんと出来なかったんだね〜?」







クシャクシャ、クシャクシャ、クシャクシャ








に頭をワシャワシャされた・・・・・なんか、まるで犬のように。


「今日はダビデの頭をなんとかしてあげようと、いいもの持ってきたわけなのだよ?」

「?」

「意外に髪の毛細いんだね〜しかも直毛。そりゃ〜ハネるわ、この湿気じゃ〜ね☆」




そう言って、強引に部室に連れ込み長いすに座らせた。

は落ちていたケンタローと名前が書いているスコップを拾い、ダンボール箱に入れた。



「そろそろこの部室、掃除しないとね?」



たしかに、汚い。

海遊び具とかが散乱して、溝とかに砂浜の砂がいっぱいたまってる。

六角の部室ん中で一番汚いだろう・・・。

でも、落ち着くから俺たちはあんまり気にしない。

革鞄からなにかを取り出そうとしている、

はいったい何をしようとしているんだろう・・・・・





「じゃじゃ〜ん!大城が選びに選び抜いたジェルワックス〜!!」


は某人気漫画のタヌキ型ロボットのような声でオレの目の前に出した。


「それ見たこと無いんだけど・・・・」


普通の男よりはワックスにくわしい俺。

所持数は11個。嘘じゃないよ?


「そりゃそうだって!女の子用だもん!!」

「・・・・そうなのか?」

「ダビデの髪なら女の子用でも大丈夫だよっ☆」



なんか微妙にショッキングだな・・・・・



「香りは、どんなの?」


女の子用って、絶対なんか男用と違うと思うんだけど・・・


「大丈夫だよ、ホラッ☆」









これって・・・・








と一緒?」

「よく分かったね〜?」


分かるよ。

いい匂いだなって、いつも思ってんだから。


「うん、これなら大丈夫・・・・かも」

「そう?よかった☆」











そして、頼んでも無いのに俺の髪の毛をセットしてくれた。

に髪の毛をいじられるのは、やっぱ緊張したけど、鏡を見ても、違和感もなかったし、スゴイと思った。

よく覚えてたよね。










「うお〜終わった。ダビデ、毎日セットするの大変だよね・・・。しんどかった〜」

・・・・・・・・・」

「ん?」









・・・・・・・・・・・・・アリガトウ。










「どういたしまして☆あっ、そのワックスあげるね?」

「いいのか?」

「いいよ☆私は余分に買ってるから」










うれしい、めちゃくちゃ嬉しい。

とおんなじ匂い・・・・・・・カップルみたいだ。











「そろそろ、教室行こっか?」






















この後、剣太郎に会ったらすぐにバレた。


なにがバレたって?


俺がと同じ匂いだってゆうこと。

さすが、お猿さんな剣太郎。

そのあと、サエさん亮さんと続々とバレていった・・・


みんなホントのこと好きなんだね・・・・。

でも負ける気ないし、俺。
















その日、

お風呂入ったとき、やっぱり洗うのがもったいなくなった・・・。

いや、もちろん洗ったけどさ。

絶対明日から使うから、に貰ったあのワックス。

みんなに何言われてもいいし。

むしろ、優越感に浸っちゃおう。









そして、朝起きてからの、憂鬱は無くなった。

むしろ、ちょっとのいい香りで浮かれちゃってる、鏡の中の俺はニヤついてしまってる。

もしここに、バネさんがいたら二蹴りほどくらいそうだ。

嗚呼、好きだ・・・・・・・・・・・・違う、アリガトウだ。

んで、いまいましかった梅雨にも感謝感激雨嵐。

















外に出てみると、やっぱり雲の色は黒に近い灰色。

今日もまた雨が降りそうだ。



















end
























初ダビ夢・・・ひ!!