カホゴ
「誰か、一緒にコンビニ行く人いる?」
はまり中のファンタジー小説を読んでいたは、いきなり立ち上がりそう言った。
いつものなら誰かにパシりにするはずなのに、と女性陣は思った。
「ボクが行こうか?★」
ヒソカがトランプを壁に投げ刺しながら言った。
とデート♪←勘違い
「ヒソカ?このさい誰でもいいやっ。早く来て」
「「「「え!?いいの!!?ヒソカで!!?!?」」」」」
ほぼ旅団全員の声。よくハモったこと。
いつもなら、はヒソカを苦手としているから、断るはずだ。
でも、マチは知っていた。もうこの二人は仲間・・・少なくともはそう認識しはじめている。
危なっかしい、そうマチは思っていた。なぜなら、ヒソカはねらいだからだ。
自分にいいよってきたときよりも、に対してよく入れ込んでいると思う。
マチにとっては安心だが、妹のような存在のがたぶらかされる(?)ことになったらと思うと嫌な気分だ。
「私が行く」
快くヒソカを受け入れたに対して驚いている男性陣を横目にマチは言った。
めんどくさいながらもやっぱり心配なものは心配・・・
「ホント!?マチ!」
「だからヒソカはいいでしょ」
「え?マチ☆妬いてるのかい?」
「・・・・・・・死ね」
マチは顔を歪めて言った。
「フフッ☆怖い怖い」
「でも、マチに荷物持たせるわけには行かないなぁ?」
「え?ボク、荷物持ち?」
「え?ソレ以外に何の役に立つの?」
は怖い。性格怖い。改めてを知っている仲間は思った。
ソレを聞いたマチは、なら大丈夫そうだ。と軽くため息をつく。
「・・・・・・なんか傷つくなぁ?まぁ、いいや☆いこうか?」
頑張ってね、とパク。それを目で頷いた。
「目立つ」
マチが言った。
「なんでアンタ素なのよ」
「?」
「いつもの変なカッコは?」
「ひどいなぁ?こっちの方が目立たないじゃないか☆」
ヒソカはシャワー後のカッコだった。一度見たことがあったのでマチはヒソカだと分かった。
自分は嫌なやつだと思っているからなにも思わないが、道ゆく人にジロジロ見られているのは否定できない。
こんなにも人は変わるものなのかと思う。
でも、は全く姿が変わっているのにも関わらず、ヒソカにこう言った。
「いつものはメイクだったんだっ!?」
と本気で驚いていた。
「ククッ☆本当に面白いね、は♪」
そして、コンビニで酒やらお菓子やら本やらを買いまくっているを窓から見ながら二人の会話は進む。
「アンタ 狙ってるでしょ?」
「うん☆」
「手ぇ出したら、マジ殺すよ?」
「君に承諾をえないといけないのかい?を貰うには☆」
「そう」
「君にとってのはなんなのかな?」
「・・・・・・・・・・・・アンタには分からないよ」
そう言った瞬間自動ドアが開いた。
「マチvvありがと!ごめんね?」
「ホントだよ。コイツと一緒にさせて・・・・・」
「ヒソカ、マチになんかしたの!?」
「ひどいなぁ?楽しくオハナシしてただけなのに♪」
「いいよ。早く帰ろう?」
そして奇妙な三人組で本拠地へ帰った。真ん中は。右隣がマチ。左がヒソカで。
「ねぇ、★今のボクといつものボク、どっちがいい?」
大量のコンビニの袋を両手で難なく持ちながらヒソカは言った。
「はぁ?なにいってんの?」
そして、マチは無言。
「が言ってくれたら、好きな方でいるけど☆」
「アタシ次第なの?」
また、マチは無言。
「うん☆」
はソレに対して笑顔でこう言った。
「じゃあ、猫の着ぐるみでも着ててっ」
「・・・・・・・・・・・っぷ!ッハハハ!!」
「どしたの?マチ」
「・・・・・・・・・・・・・最高。」
久しぶりに腹を抱えて笑った気がした。
ヒソカのあんな顔見たことない、と心でまだ笑いながら、の頭を撫でる。
「さっ、早く帰るよ」
「うん、マチvv」
ホントに変わらない。
隣で嬉しそうに笑うは、ちっさいときと全く変わらない。
そして、子供のときみたいに手を繋げてくる。あぁ、なんて愛しいんだろう。
自分にとってのは友達じゃない恋人でもない、もっと大切な存在。
家族
たとえ血は繋がっていなくとも、私はそう思ってる。
親がいない私たちはずっと一緒にいた。絆は強い。
特にとは一番近くで、いろんなモノを見てきたから。
「。変な男についてっちゃだめだからね」
「また子供扱いする〜。もう私16なんだから!大人だよ?」
「私にとって、まだまだ子供だよは」
「もぉ〜!マチ!!」
そして、笑いあう二人。
それを後ろの方から、無言で見つめる男。すっかり忘れ去られている ヒソカ。
「ククッ★いいなぁ、やっぱは☆マチもかわいいけど♪」
また気持ちが高ぶり始め、危険な状態に陥っているヒソカがいる事をは忘れ、マチは無視して帰っていった。
「また一緒に買い物行こうね〜!」
「今度は本気で二人で行こうね」
その三人のあとに、絶状態の旅団メンバーが隠れていたとかいなかったとか・・・
END
マチとヒソカのコンビが好き。