Under the moon










いつかの夜。

仕事を終えて本拠地に帰ってきたらビックリした。

懐かしい、ずっと会いたかった奴。


「久しぶりだね!ウヴォー」


そんな簡単な挨拶で済まされた俺。

結構ショックだったが、この嬉しさの比ではなかった。

あとでシャルに聞いてみたら、蜘蛛にはいっただと。


「本当か!?」

「嘘ついてどうなるっていうの?」

「なんで今更・・・」

「さぁね?突発的にモノを考えるから自分にも分からない」

「ハハハ、たしかにな!!」


まぁ、なにはともあれこんなにめでたい事はない。

俺たちは気の合う親友だった。また、一緒に大暴れできるな。


「ってゆうことで、みんなで酒でも飲もうぜ!?」

の歓迎パーティーするってゆうことか?」

「ノブナガ、正解!!」

「絶対やだ!!」           え?なんでだよシャル!!

「ワタシ遠慮しとくよ」              フェイタンもかよ!?

「俺もいい」                           団長も!?


と、ほぼ全員からのブーイング。

なんでだよ!?が団員になったんだぞ!?うれしくないのかよ!!!!


「ウヴォー??」

「なんだ、?お前からも言えよ、みんなに!!」

「私もいいや」


なんで、お前がそんなこというんだよ!!

ちっさいときから酒好きだったじゃねぇか!!!!


「だって・・・・・」

「なんだよ、はっきり言えよ!!!」









「ウヴォーってお酒飲んだら、キス魔になるじゃない????」












は???

「ちっさい頃は全然気にしなかったけど、今は・・・・さすがに・・・・」

「俺って酒飲んだらキス魔になんのか・・・・・?」



「「「「「「「自覚なしだったの!?」」」」」」」







そうだったのか・・・・・知らなかった・・・・




















「はぁ〜・・・・・・・・・・・」


俺はなんだかやりきれない気分でホームの屋根の上に大の字になって寝転んでいると、

上の方から物音が・・・・・・


「ウヴォー???しょげちゃった????」

「なんだ、か・・・・・・」

「なんだとは失敬なやつだなぁ〜・・・・・せっかくビール持ってきてあげたのに・・・・・・」

「え!?」


起きてみると、確かにの両手にはビールの缶がいっぱいはいったビニール袋があった。


「なんだよ、俺とは飲みたくなかったんじゃないのかよ」

「ウヴォーは私と飲みたいんだろ???」

「・・・・・・・・・・・」

「いいよ?キスしようとしても」

「・・・・・・・・はっ!!!!!?!!」

「そんくらい、軽々避けてあげるからっ」

・・・・・・」


久しぶりに見たからか、俺の中で過大視してしまっているのか、

ずいぶんキレイになったと思う。


「なによ・・・・・・ウヴォー。いくら、酔っても私なんかにキスしたりしないって!?」

「なんもそんなこと言ってね〜だろ!?」

「ハハっ。じゃあ、さっそく飲もう!!」

「飲み比べ大会でもすっか??」

「いやいや、私勝っちゃうじゃん?」


懐かしいこの感じが、めちゃくちゃ心地がよかったりする。


「あらためて、ヨロシク、ウヴォーギン?」

「おぅ、俺のほうこそ」

「月明かりの下で飲むビール・・・・ロマンチック〜」


ビールで乾杯。









思いもよらなかった、旧友との再会。こんなに嬉しい日はめったにない。

今日はおもいっきり飲み明かすとすっか。




もちろん、お前とな。











END