〜 My name is... 〜
「ウォーターセブン・・・・はぁ〜、さすが水の都だけあって、交通手段がコレなんやな」
「ニー ニー! ニーvv」
産業都市やのにキレイなところやなァ。
せっかく来てんから、いろいろ見て回りたいかも。
「お前道全部分かってんのか?ウチ来たばっかりやし全然分からへんで?」
「ニー!!」
「ホンマにわかっとんかコイツ・・・・・・」
少女はため息をつく。
赤いツナギを着、髪は黒、瞳も黒、ベルトにはジャラジャラと大工道具がぶら下がっている。
大工道具・・・・・・・そう、この少女は、この都市にある大型企業 造船会社 ガレーラカンパニー 新入社員として招かれたのだ。
ってゆうか、あんなちっさい村で働いてたウチをよう見つけて引き抜いたな。
まぁ、実力っちゅうやつやけどな?
「最初は断ろうと思ってたんやけどなぁ〜あんなカミキレで簡単にウチが動くとおもってんのか?とか思ってんけどなぁ〜」
「ニー!!ニー!!」
「そうやねん。だってアノ有名なガレーラやで?世界一やで?やっぱ修行にもなるしなぁと思ってやな・・・・・・」
この腕一本で生きてきたウチへの報酬やと思っておこう。
「ニーvvv」
「お前もそう思うやろ?な?・・・・・・・で、どんなトコなんやろなぁ〜ガレーラカンパニー」
「おっお前、新入りか?」
「そう。新しく社員になったっちゅうねん」
「おぉ、ヨロシクな坊主!!!」
「失礼なやっちゃな。ウチは・・・・・・・・ってオッサンだれや!!!!!」
と、ノリつっこみする。
荷物があったため二人乗りのヤガラブルを借りたのだが、
の後ろには、オレンジのゴーグルをかけ葉巻をくわえた男がどうどうと立ってを見ていた。
「オッサンじゃねェ!!」
「いたぞ!!待ちやがれ!!!借金返せー!!!」
「ちっ!!!やべェ!!!超特急で中心街までいけ!!ブル!!!」
「なんやオッサン!借金取りに追われてんのかいな!てゆうか降りろ!アホ!」
「硬いことゆうな、坊主!あとでなんか奢ってやっから!!!」
「まじで!?・・・・・・・・ってわあぁ〜!!!!!!!」
いきなりの振動にはヤガラのクビに抱きついた。
ヤガラブルはさっきまでの目つきではなくなり、エンジンがかかったように兆速で泳ぎだす。
「ニー!!!」
「アハハッハハハ〜!また今度返すから!じゃあな!!」
「・・・・・・・・・もういやや・・・・・・・・おろして〜!!!!」
「ニー!!」
中心街に到着。は干からびていた。
「おい大丈夫か?」
男はのおでこを手でペシペシ叩いた。
「ニー?」
「オッサンのせいだよ。オッサンの・・・・・」
今日食べた昼飯が全部リバースしそうや・・・・・・・
「いいじゃねェか!どうせ来るんだったんだろ?ココによ」
「え?」
半目だった目をこすり、大きく開けてみるとの目には、見たこともないような大きなガリオン船が映った。
「うっわぁ〜なんやこれ!!!」
思わずブルから降りて小走りになる。
「今アレ作ってんだ。なんだ坊主、見るの初めてか?」
「だ〜か〜ら〜ウチは・・・・・・」
「おっ、パウリー。また借金取りたてられとったのか?いい加減返してあげな可哀そうじゃぞ?」
「アハハ、耳が痛ェなぁ。」
「誰じゃ?その子。パウリーの彼女か?可愛いなぁ?」
「は?なに言ってんだよ!こいつはっていって、オトコ・・・・・・・」
バシコーん(ハリセンの音)
「女や!可愛い夢見る恋する・・・・・してないけど女の子や!!ウチは」
「間違えてたのか?パウリー。失礼なやつじゃ・・・・・」
「オンナ?オンナの子?女?コレが」
パウリーはの胸を指差す。
バシバシ ボコ!!!!ヒューぅ・・・・・ドーン!!!!!(大砲)
「悪かったな〜!胸無くて!!!!」
の中でパウリーは超ムカつく奴第一位とランク付けされた。
「ハハっ。元気な子じゃな?新入りか?」
「あっはい!っていいます。ヨロシクお願いします!」
「俺は一番ドック 大工職 職長 カクじゃ。これからもよろしくな。」
うっわぁ、背高いなぁ〜?ってゆうか、なんで仙人言葉なんや・・・・・?
「あの・・・・失礼ですが、おいくつ・・・・・?」
「23じゃ。みえんじゃろ」
「あっ、そんなことは!!!」
「ええんじゃ、ええんじゃ!よく言われるからのぅ?」
カクさんはにニコッと笑った。
あっ、笑った顔は可愛いかも。でも、喋り方がコレやもんなぁ・・・・?笑
・・・・・・・・なんかアノ 昔見たおとぎ話の主人公みたいな顔やな。
なんやったかなー?あのウソついたら鼻伸びてまう奴・・・・ピ・・・・ピノ・・・・・?
「どうしたんじゃ?」
「あっいえ!!すみません!!!」
「あっそうじゃ、ちゃん。アイスバーグさん、探さんといけんのじゃろ?」
「あっ、はい・・・・・・」
「俺が探しに行く。ちょいと待っとれ」
「あっ、いいです!いいです!先輩に、そんなこと・・・・!!」
「どっちにしろ、ブルじゃ遅くなるからなぁ。・・・・・オイッチニーサンシ!!」
足を伸ばし準備体操を始めるカクには首を傾ける。
「じゃ!行ってくる!!」
風が吹いた。
は思わず目を瞑った。
「アレ!?カクさん!?どこいったん!!」
「あそこだ」
いつのまに起きていたのか隣にはパウリーがいた。
その上を向いたパウリーの目線のさきにはカクがいた。
「飛んでる!?」
「山風」
「ヤマカゼ?」
「そう呼ばれてんだよ」
あぁ、確かに。
「ところで、・・・・・・・・すまんかったな。」
「なにがや、オッサン」
「・・・・・オッサンじゃねェ!パウリーだ!かりにも先輩に向かってなんだソレ!!!」
「ウチはまだ先輩って認めてへん!借金抱えてるわ、人のヤガラに勝手に乗るわ、しかもボウズ呼ばわりしたし!」
でも、が一番腹が立ったのは胸のことだった。
「オトコみたいなカッコしてっからだろ!?」
「オッサンのバカな脳みそは服装で性別判断すんのか!?まぁなんて素敵な思考回路!」
はキレると下が回りまくる。
故郷の村でも誰にも口で負けたことは無かった。
「ぐっ!!言いやがったな!?勝負だ!表へ出ろ!!」
「アホ!!ココ表やんけ!!!!」
「そこまでだ!!クルッポー!!!」
「なんだよ!ルッチ!邪魔すんな!!」
「え?」
「クルッポー!そんな門前でケンカなんかするな、馬鹿。」
「え?え?」
に近づいてきた男は軽くお辞儀した。
「どうも、はじめまして。オレはハトのハットリ、こいつは俺の相棒ロブ・ルッチ。ヨロシク」
握手を求められたはたじろいだ。
なぜなら、オトコがではなく、肩にとまっているハトが手(右翼?)を出してきたからだ。
「すげェ!都会ってホンマいろんなモンがおるんやなぁ〜!」
「バカかお前!腹話術だよ、腹話術!!」
「え!?ホンマ!!すごいな兄ちゃん!」
「大したことじゃない、ポッポー」
尊敬の眼差しではルッチを見た。
「・・・・・・・・!!そんなんもういいだろ!?勝負だ勝負!!!」
「勝負・・・・・・・?なんのことだっけ?しかも勝負するなんていってないし」
「なっ!逃げるきか!?」
「はい無視、無視!」
はその時興味あるものしか見えない性格だった。
「ハットリ〜!もっと喋って〜!!」
「ところで、お前は誰だ?ポッポー」
「ココの新入社員!ってゆうねん!ヨロシクなvv」
「そうなのかポッポー。案内でもしてやろうか?」
「ホンマ!?ありがとさんvv」
「おい!!!!!!」
というぐあいに、はハットリとルッチにココを案内されることになった。
「ったく。なんなんだよ・・・・・・・アイツ」
ハットリ(ルッチ?)にを捕られて、大分腑に落ちないパウリーを残して。
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