イチゴ★パフェ
「誕生日・・・・・・みんなと焼肉食べに行くことになった」
ヒカルは言った。
この場合、「みんな」とはテニス部仲間。
朝、私たちは一緒に学校へ行っている。
友達以上恋人未満。&幼馴染。一つ年下のヒカル。
「・・・・・・・・へ、へぇ・・・・・・・そーなんだ」
「も行くだろ?」
「いいの・・・・?」
「もちろんじゃん。そんなの関係ねぇよ」
少し笑ったヒカルの表情にダマされて、その時は平然とできた。
「って、意味わかんなーーーーーーーーーい!!!!!!」
私は教室に入り、机に座った瞬間 拳を振り下ろした。
「どうしたの?・・・エラくあれてるけど・・・・」
「サエちゃん、キライ。どっかいって」
「オレにあたるなよ、。キズついちゃうだろ?」
「そんな爽やか笑顔で言われても説得力ない」
机にうずもれる私。サエは前のイスに腰掛けた。
「・・・・・・・どーしたんだ?」
「何もヒカルを焼肉に誘わなくてもいいじゃない」
「・・・・・だってアイツの誕生日だし・・・・・・・・ってまさか、・・・・・・」
サエが感づいた模様。
「そうよ!!やっと告白しようと決心ついたのに!!!!!
小さい頃からヒカルが大好きだった。
最近気付いた、これが恋心だったなんて。
これまでになく悩んだ。やっぱり幼馴染の一線は大きかったのだ。
私はサエだけには、話していた。よき相談相手。
「・・・・・・言ってくれればセッティングしてあげたのに・・・焼肉だって・・・」
「アンタたち・・・・とくにバネちゃんは気ィ早すぎなのヨ!!だってまだ一週間あるじゃない!」
「さぁ・・・バネにも話したらいいのに・・・・」
「絶対ヤ!!なんで恋のライバルに言わないといけないの!?」
「いや・・・バネはが本当のこと言ってたらライバルにはならないと思うけど?」
「サエ!?これは勝負なの!小さい頃からずっとヒカルはバネちゃんについてってた。それを私が・・・」
「はかない恋ですね・・・・・・・」
「そうなのよ、はかないのよ私・・・・なんでよりにもよってバネちゃんがライバル・・・・・強敵すぎ」
「・・・・でも諦める気は?」
「ないのよね、私。ヒカルのためならなんだってする!!」
そして、私は誕生日当日までにシチュエーションを考えた。
何十通りも考えた。考えに考え抜いた。
「これで完璧。告白する。今日こそ」
「頑張ってね、。オレ応援してるから」
「うん、ありがとう。サエちゃん」
そして二人で待ち合わせ場所、焼肉屋前まで歩く。
「あーーーーーーーーーー!!!!サエさんも!!早くーーーーー」
剣ちゃんの声、すぐにみんながいる場所が分かった。
「遅いぞ、お前らぁ」
「ゴメン、ゴメン。バネ」
「予約してるから、すぐに入れるのね。しかも個室」
「さすが、いっちゃん!」
そして、サエちゃんいっちゃん亮くん首藤くん・・・・・ヒカルが中に入った。
「ちょっとバネちゃん、こっち来て?」
「あー?なんだ?」
そして私はバネちゃんを呼び止めた。
「言っておきたいことがあるのよ!」
「さみィから早くしてくれよ?」
「私ね・・・・ヒカルがね・・・・・・・・」
「・・・・・・・好きなんだろ?」
「うん、好きなの!!って・・・・・・・・何!?なんで知ってんの!?」
「そりゃー長い付き合いだからな・・・・?ってオレも言おうと思ってたんだよ」
「何??」
大きく息を吸うバネちゃん。
「さっさと告白しちまえって!!もう見てるこっちがムズムズしてくんだ!!」
「なにソレ!?はなっからそういうつもりだったわよ!!」
「・・・・・・・なーんだ、そうだったのか・・・・・早く言えよな、そういうの」
「ホントは二人っきりで誕生日過ごしてーとか言おうと思ったらバネちゃんがぁ・・・・」
「まじか!?・・・・・そりゃ、すまなかったな・・・・・・」
「いいよ。ありがとうね。心配してくれて」
恋のライバルで、私の親友、バネちゃんが大きく笑って私の頭をポンポン叩いた。
「頑張れよ」
もう既に何人分なのとツッコミたいくらいテーブルには肉の山。
剣ちゃんはいつも以上に楽しそうで、いっちゃんはひたすら肉を焼いている。
そして亮くんが私を呼んだ。
「ここ座りなよ」
あー亮くんは神様だった。その空いた場所のとなりには本日の主役。
「ありがとう、亮君っ」
「どういたしまして」
丁度いいくらいに皆のお腹が膨らんだ後、
「っとゆうことで、今日はダビデの誕生日だ!!」
バネちゃん主催、ヒカルの誕生日パーティー。
今からプレゼント渡しです。
「じゃあオレから」
首藤くん、亮くん、サエちゃん、いっちゃん、バネちゃん、剣ちゃんと次々プレゼントをヒカルに渡す。
「ありがとう。嬉しいヨ」
「「「「「「って俺ら用事あるからそろそろ帰るわ!!」」」」」」」
6人見事にハモリました。
「なぁーにそれぇーーーーーーー!?」
「あ、そうなの?バイバイ、皆ありがとう」
「いいの!?ヒカルの誕生日だよ!?」
「え。だって仕方ないじゃん。用事あったら・・・・」
絶対嘘だろーーーーー!?
「じゃあね?」
サエちゃんだなーーーーーー!?
というわけで、二人きり。
「・・・・・・・・・・・」
気まずい。なぜか、気まずい。
「・・・・・・・・で、はなにくれんの?」
「あっ!うん!そうだね!プレゼントだね!!」
そして、いきおいよくヒカルにプレゼントを渡す。
「開けていい?」
「ど、どうぞ」
そして、とびっきりの笑顔を見せられるわたし。
「まじ!?これ欲しかったんだよなーーーーー!!さすが!!」
あまり笑わないヒカルがこんな風に笑うと、多分六角中にはファンクラブが出来ちゃうんじゃないかと。
「そんなに喜んで貰えて嬉しいよ」
「どうする?まだなんか食べる?」
「うん、デザート食べようかな」
「じゃ、オレイチゴパフェで」
「好きだねぇ、ヒカル。じゃ私はぁ・・・うん同じので」
そして、もくもくと食べ続ける私たち。
「おいしいね」
「うん」
「なぁ、」
「?」
「さっきのバネさんとの話・・・聞こえたんだ」
ははぁ〜ん、こういうオチか・・・・・・。・・・・・・・・って
「えっ、えぇーーーーー!?」
「早く言ってくれればいいのに・・・・・・」
こ、こうなったら腹くくるしか・・・・・
「実は・・・・そうなんだ・・・・・」
そして俯いていた私は勇気を出してヒカルの方へ顔を向けた。
「バネさんならを大事にしてくれる」
ヒカルは俯いて、そう言った。
「え・・・・・何言って・・・・・」
「お幸せに・・・・・・」
なにも、うまい具合に解釈することないじゃん。
本当についてない。ついてなさすぎる。
「・・・・・・・・?」
一生涙が止まらないと思った。
「私はぁ・・・・・ヒカルが好きなんだよぅ・・・・・・」
「 え 」
「だからぁ・・・・・そんな・・・・・・こと言わないで・・・・・」
こんな告白の仕方、考えてるわけないじゃん。
もー、こんなのいやぁ・・・・・・
すると、ヒカルに顔を鷲掴みされ、変な泣き顔を拝まれた。
「な、なにふんほォヒハ・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・んんんん、んんん!?」
イチゴパフェの味でした。
「ごめん・・・・泣かせて・・・・・」
そう言って髪を撫でられた。
「・・・・・・・・・・・・」
「最高のプレゼント、サンキュ」
「・・・・・・・・・バカ」
「イチゴパフェ、食べててよかった」
「?」
「初キスが焼肉の味だったら、シャレにならない」
そういって笑いあった。
そして彼氏彼女になりました。
次の日、
「よかったね。ダビデと晴れてゴールインできて」
「うん。ホントに幸せです。サエちゃんのおかげだよ」
「どーいたしましてっ」
そして、サエちゃんは私に向かってまたあの爽やか笑顔で・・・・
「イチゴパフェ・・・・おいしかった??」
「サ、サエちゃん!?」
サエちゃんたちに全てを覗かれていたのでした。
END
22 November, 2004
アトガキ
な、なんだこれは・・・・サエ夢?しかもスランプ・・・・?ダビたんゴメン、そして皆様ごめんなさい。
とりあえず、ダビデ・・・・アンタ可愛すぎるよ・・・・・!!!!!!
バネさん出張ってるのはやっぱりというかなんというか・・・・
まだまだ祝おうダビ誕。ビバダビ誕。普通にバネダビでm(自主規制)