〜コタツとみかん〜
「今年は暖冬なんだってね」
はムクッと起き上がり、部屋の暖房を消した。
そして、羽織っていたカーディガンを脱いですぐそばに置き、飲みかけのウーロン茶を飲み干した。
「は寒がりだもんな。嬉しい?」
「うん。願ったり叶ったりだよ」
がコタツの上に顔を置き、気持ちよさそうにニコニコしている。
さっきまで暖房プラスコタツをつけていた、全然地球に優しくない状況は変わった。
「エコノミーは え、好み??・・・・・・・・・・っぷ」
「ヒカルのダジャレで寒くなったらどうするのよ!!!」
「痛っ!!」
オレンジ色の玉がデコにヒットした。
「もー電気代これ以上増えたらお母さんに怒られるのよー」
「そりゃ一日中暖房つけてんだもん・・・・ってか、みかん投げるなよ」
「ってゆうか、いくらなんでもノースリに短パンって・・・・」
コタツから離れ、うちわ持参してパタパタ扇いでる自分を、は呆れたように見ている。
いや実際、設定温度28度にしているお前の方が呆れるよ。
いつもの部屋に来るときは短パンノースリを下に着ていく律儀な自分に少し哀れむ。
逆だったらな〜・・・・なんて言ったら、またミカンが飛んできそうで怖いからやめておこう。
「暑いんだよ・・・本当にの部屋だけ異次元だ」
腕立て三回くらいしたら汗ダラダラしてきそうなくらい暑い。
「でも、さすが六角中テニス部ね〜。毎日こんな寒い中海で走ってるだけあるわ・・・」
「も走る?寒さに強くなるし」
「その前に死んじゃうよ・・・・・考えただけでも寒い!」
「麻痺してきたら、海入りたくなってくるぜ?」
「アンタたち・・・・・海で死ねたら本望???」
がため息をつきながらミカンの皮を剥いている。
そんなに段々目が離せなくなってきた。
なんか暑い部屋にずっといると、いつもノボせてきてしまう。
「ん〜の傍だったらドコでも・・・・」
「なにこの手」
ミカンを口に入れようとしているの手首を軽く掴んだ。
「え?」
「離して。食べれない」
笑顔なのに怒っているが可愛い。
「俺を食べ「アホ」
そして勢いよく俺の手を振り解いた。
「ちょっ!かまってよ、もっと俺のことー」
「寒いから。ヒカル、またエッチなこと考えてるんでしょ?」
「えっ、ちがうよ?」
「それダジャレ?」
「うん」
「イマイチね。アホ丸出し」
「ひでっ!」
一個上、バネさんと同い年のは大人な性格。
慣れのせいもあるのだろうけど、このふてぶてしさはどこからくるのか。
思い通りに持ってかれないに俺は少しふてくされる。
「いーもん、でーもん、ポケもん・・・・・・・・っぷ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ツッコミもなし?俺たちって倦怠期?」
そろそろ寒くなってきてコタツに入る俺。
目の前のミカンの山から一個とりだし、中心に親指を突っ込んで遊ぶ。
「もしかしてオレ、飽きられた?」
「安心しなさい。ちゃんと好きだから」
未だにミカンを食べることをやめないはなにげなくそう言った。
くっそ・・・・・・やっぱ大人だ・・・・・・・
なんでそんなに心臓にクる事言うんだ、は。
「あーもう・・・・・大好き・・・・・・」
無意識に出てきた俺の言葉に、はフッと微笑んだ。
「はい、あーん・・・・」
ミカンをつまんだの手が顔の前に。
「手まで食べたら殴るよ?」
「ん・・・・・・・・ありがと」
少し甘い普通のミカン。
「おいしい・・・・もっと食いたい・・・・」
口を開け、もう一回と促す。
「しょうがないなぁ・・・・・」
「って、なんか正月みたいなことやってるけどさ」
「クリスマス前だよな」
「なんかもう春になるまでこんな感じでいい?」
「は?」
「外出したくないのよ。寒いから」
「・・・・・・・え、正月は海だろ、初日の出デショ?」
「絶対ヤ。バネとかサエとかと行ってきな?」
「え〜なんだよそれ〜いっしょにいるよ〜」
「まークリスマスくらいなら東京まで繰り出してもいいけどね」
「マジ!?」
「ちょっとは雰囲気味わうのもいいかな、なんて」
久しぶりの外出デート。
あー早くクリスマスになってほしい。
寒いのは我慢できるし別に嫌いじゃなかったけど、とのデートが明らかに少なくなるからヤになってた。
・・・・・・・けど、やっぱりいいイベントたくさんあるからやっぱり好きなのかも。
「なにニヤニヤしてるの?」
「別に?」
変わらないのは、「メリクリ」も「あけおめ」も俺が一番にお前に言えること。
多分カウントダウンのときも今と同じようなことしてるんだろうなー・・・・
コタツとミカンと俺たち二人。
End
December 11, 2004
アトガキ
暖冬万歳。それでも風邪引くパンプキンですが・・・
さーどうしようか。まったく夢が思いつかない・・・妄想しないと・・・!!でも頭回らない!
みなさま、お体にはお気をつけください。脳みそ溶けますヨ(笑)